縮退する地方自治&社会が壊れてきた

平成時代は、地方の形(仕組み)が市町村合併により大きく変わった。地方分権や道州制、権限移譲など様々な議論もあった。

しかし、その後の具体的改革は、東日本大震災や原発事故、各地で多発する地震や豪雨などの災害からの復旧・復興などで、一向に進んでいない。

最近では、2012年に住民投票で否決された大阪都構想が再び持ち上がり、大阪府民の再チャレンジに対する動向が注目される。

地方では、人口減少、少子化・高齢化の人口問題が最大課題になり、住民自治に対する危機も同時並行的に進行している。

地域では、高齢化や就業形態の変化などにより、自治会や行政関係団体の役員や担い手が不足し、役員になると次の役員候補者を探すのが最大の仕事になっている。

つまり、自治会の役割が時代の動きとともに変化しなければならないのに、旧態依然としているのだ。自治会に関心を持ったり、地域の連帯に関心を持たない住民の現実は、今の政治離れに共通している。

地方議会でも、人口が少ない町村では議員に立候補する人が減り、無投票当選が増えてきた。今春の地方選挙では、首長にも拡大し、全国で121のうち55町村と半数以上が無投票だった。

群馬県でも2市7町村の首長選が行われ、1市4町村が無投票当選で、なかでも県トップの人口を持つ高崎市長選が無投票だった。新人が無投票で選ばれる町村もあった。無投票の意味を再検討する必要がある。

特に深刻なのは、議員候補者が定数に達しない町村が(群馬県にはなかったが)、全国に8町村あったことで、選挙や二元代表制の在り方、女性や若者の確保、多様な人による比例制の導入など、制度面を含めて喫緊の課題になっている。

低投票率は、国政でも同じ。参院選が7月に行われるが、立候補者が誰なのか、関心が極めて薄い。参院とは何か。その役割を含めて衆院の小選挙区制とともに見直しが必要だ。

それでは、なぜ無投票や低投票率なのか。政治家に身近に住民の声を反映してくれるつながりがあったり、顔の見える人がいたり、身近な生活に係る課題解決に即時性があり、政治の存在自体を日常で意識できたものが、平成の大合併により議員の数が減り、政治とつながる距離が遠のいたことが大きい。

また合併は、議会傍聴への時間的距離も拡大した。インターネットでは議会での臨場感や議員の態度や姿、緊張感が伝わらない。緊張感がなく、問題意識のない議員に課題解決の方策がないのは当然で、国も地方も政治家の劣化が明らかだ。さらに議員になることが目的の多選議員が増え、議会の停滞が目立つ。

無投票当選は、現行制度を改め信任投票を実施するとかしなければ政治無関心層を増やすだけ。住民意識が多様化しているのに、中央集権的手法で政治を動かすことは、有権者と政治の距離をより一層乖離させることを意味する。

これからは、多くの市町村で人口減少が加速する。一方で高齢化が進行する。人口減少・高齢化は、空き家、空き地を増やし、児童数の減少とともに税収減を意味する。そして過疎地では、住民の声は、ますます遠のく。

さらに問題なのは、一人暮らし高齢者の増加だ。高齢になれば、体は衰え、投票に行くどころか自らの生活に懸命にならざるを得ない。過疎化が進み交通手段も少なくなり、買い物や通院が大変になる。高齢化により認知症も増える。

日常生活への支援需要が一段と増えるが支援要員や年間10万人が介護離職する一方で介護人材の充足は、全く追いつかない。日常の苦悩は多様で自治を考えることまで頭が回らない。

人口問題研究所の2040年の一人暮らし推計によると、65歳以上の一人暮らし高齢者は896万3千人、全世帯で17.7%、東京では2015年に79万人だったのが116万人、65歳以上人口の約3割、高齢世帯の45.8%となっている。

しかし、東京への一極集中は留まることがない。規制緩和をすればするほどタワーマンションや利便性が増した高層ビルが林立する。そして、非婚化・晩婚化が進んでいる。

厳しい財源難でも老朽化する公共施設や橋梁・道路の維持・管理には、待ったなしで多額の財源が必要だ。昭和30~40年代の公共水道も老朽化している。そして高齢者を支える対策に費用が増え続ける。公共施設や公共サービスの利用料金なども値上げが必要になるのではないか。

現状、100人未満の児童数の前橋市立小学校が2校ある。今後も続く児童数の減少は、思い出と歴史が詰まった小学校の廃校や再編が検討されることになるだろうが、ふるさとのたくさんの思い出が詰まった地域遺産としても検討が必要だ。

一体、これから先、この国は、現状の社会保障制度で国民の暮らしを守っていけるのだろうか。そして、地方は、身近な暮らしに係る課題対策、特に貧困や弱者に係る多様なきめ細かい政策を地域や家庭に対応させていくことが大切だ。

そのために、小さな自治をもう一度見直し、自治会や議会のあるべき姿を検討する中で、地方自治の縮退を食い止め、住民と自治体が協働し、身近な問題から関心と参加により、安心できる地方自治を発展させなければならない。

追記
5月28日午前7時45分頃、川崎市登戸で長期間引きこもり傾向だったという51歳男性が柳葉包丁を使い送迎バス通学児童と保護者などを切り付けた殺傷事件があった。安全だと言われてきた日本で、近年の自分勝手な殺伐とした事件が報じられる度に社会が壊れてきたことを感じるが、その根底にあるものが何かを究明し対策することが重要だ。
もっとも国会議員でも戦争で北方領土を取り戻すなどと言いながら、内容を関係者が質すと開き直り、議員辞職させることができなかったり、国会答弁で首相が開き直ったり、統計不正や公文書改ざん、権力者に忖度したりの国会の現状なのだから社会が壊れるのも当然かもしれないのだが・・・。

今日のおまけは、我が家で満開のカルミアとヤマボウシ
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