障がい者が懸命に生きる姿は・・・多様性を認め合うことから

大事ないのちが極悪非道な殺人によって失われた。相模原市の「津久井やまゆり園」で起きたとんでもない事件だ。

容疑者は、「障害者なんていなくなればいい」 と話しているという。インターネットでは、同調する書き込みもある。世の中に有用かどうかで人を判断する風潮がある。何と荒んだ社会になっているのだろうか。

弱肉強食、格差社会が当然の社会となり、行き過ぎた自由が荒んだ投げやりな歪んだ心をもたらし、人のいのちを軽くみる背景になっているのではないか。

障がい者団体の全国手をつなぐ育成会の会長は、「もし誰かが『障害者はいなくなればいい』なんて言っても、私たち家族は全力でみなさんのことを守ります。ですから、安心して、堂々と生きてください」と声明を発した。

障がい者を持つ家族としては、誰もが障がい者を望んでいるのではない。が、障がい者も個性ある大事な家族の一員であり、等しく愛情を注いでいることは当然のこと。

私の娘にも障がい者がいる。生まれてしばらくは障害があることが分からなかったが、歩行や発語の遅れに気付いた時には、出産時障害だと診断されることになっていた。しかし、かけがえのないいのちの大事さは誰でもが等しい。

3歳で、障がい者保育施設で転倒し、脳神経外科で脳波検査などを受けた。左脳の発達障害が告知され、大きなショックと同時に何とかならないかという思いが交錯した。思い出は今も鮮明だ。

当時の医師からは、医療の手立てがないことを諭されたが、その後も、懸命に医療の世話になりながらも生きてきた。親としても特別な感情を抱き、愛情を注いで育ててきた。その姿を娘の妹たちも見て育ってきた。

いまでも、言葉が出せないためにコミュニケーションをとることが難しい。しかし、ひらがなで新聞や本を読み、CDで音楽を聴き、目でTVを見ることは、毎日の日課。平日は通所施設で過ごす。

毎日が同じ繰り返しの生活だが、どこまで自分のこと、家族のこと、施設で関わりを持っている人などを理解し、行動しているのかはわからない。しかし、いないと寂しい。いつも家族の一員でいるのだから気になる。

施設の家族会で会長を務めさせていただいたことがある。多様な家族があるが、子供の将来を思うと同時に、共通した悩みは、親亡き後の心配だ。兄弟姉妹をはじめ周囲の人たちに迷惑をかけたくないという思いが共通している。

親だから障がい者を優先できるが、兄弟姉妹や周辺の関係者にも、それぞれの生活があるから、障がい者を優先するわけにはいかないことが気がかりで、先々は入所施設に頼らなければならない理由も、ここにある。

そのような中で、最近、入所施設を見学したが、入所者の平均年齢がどこでも高齢化している。社会の動向がわかると施設の状況がわかる。施設によってもかかわり方が多様化している。

通所でも、入所でも施設に共通することは、地域社会との関わり。近年の傾向として、各種行事、イベントなどに施設や家族会などが地域の人々と様々に関わり、参加する機会が積極化してきた。人間には心のバリアフリーが大事なことが徐々に理解されてきている。

こうした中で、あまりにも突然で考えられなかった、やまゆり園で起きた殺傷事件は、施設利用者が地域に出ることによって理解され、健常者と共生する姿を発展させることにブレーキがかかることが懸念される。

今の時代、これからの時代は、個性や多様性が尊重される社会。そこには人間の尊厳・人格が尊重されることが当然の社会だ。障がい者施設に勤務した・している人が、しかもその在り方を実践していた経験者が起こした事件だけに、異様な出来事で、絶対に再発を防ぐ手立てが必要だ。

人のいのちの大切なことは誰でも同じ。排除の論理ではなく包摂の論理で、いのちの尊さを最優先に、行政、医療、福祉、司法(警察)などの関係機関が水平連携し、具体的対策を作り対応することが必要だ。

人は、誰もがこの世に生を受け、支えられながら”生かされている”ことに感謝すれば、「自分さえ良ければ病」の自分勝手はいけないことに気付いてほしい。 
人間とは何かを問う残忍な障がい者殺傷事件

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この記事へのコメント

  • tomo

    つい最近会った悲しい事件なだけに心が痛みます。
    今障害者でなくても、いつだれもなる存在なのです。

    高齢であることも。。。誰もが支え合って生きる社会を切に願いたいです。
    素晴らしい記事ですね。感動のブログです。
    2016年07月31日 23:20
  • 本人

    コメントありがとうございます。
    多様性の中で、いのちが存在していることを認め合える社会になっていれば、今回のような悲惨な事件はなかったのではないかと思います。
    容疑者が、わずかな期間で心の変化が具体化したことを、どのように確認し、認識するが再発防止のカギになると思います。
    このような社会になっていることを単に悲しさだけで終わらせてはならないと思います。
    拙い記事ですが、これからもよろしくお願いします。
    2016年08月01日 00:01

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他者を認め合い、いのちの重さを知ることが大事
Excerpt: 早いもので、昨年7月26日、相模原市の障害者入所施設「津久井やまゆり園」で元職員に入所している19人の障害者が刺殺された忌まわしく痛ましい事件から1年が経つ。
Weblog: ひログ
Tracked: 2017-07-24 21:53

いのちの重さを知る
Excerpt: 早いもので、昨年7月26日、相模原市の障害者入所施設「津久井やまゆり園」で元職員に入所している19人の障害者が刺殺された忌まわしく痛ましい事件から1年が経つ。
Weblog: ひログ
Tracked: 2017-07-25 22:00